
鉄フライパンは「一生モノの道具」といわれる調理器具です。使い込むほど油がなじみ、料理がより美味しく仕上がる魅力的な道具です。
使えば使うほど愛着も湧いてきます。
ところが実際には「サビてしまった」「焦げつきがひどくて使いにくい」と途中で手放してしまう人も少なくありません。
私も実際に何度も焦げ付かせてしまったことがあります。
この記事では調理師資格を持ち、日常的に鉄フライパンを愛用している筆者が、誰でもできる鉄フライパンを長持ちさせる秘訣10選 をわかりやすくご紹介します。
これから鉄フライパンを育てたい方や「お手入れに自信がない…」という初心者さんも、ぜひ参考にしてみてください。
鉄フライパンを長持ちさせる秘訣10選
秘訣①:使ったらすぐに洗う|放置がサビの原因
鉄フライパンを長持ちさせる基本は「使ったらすぐに洗う」ことです。
調理後に放置すると、水分や油分が酸化し、サビや焦げ付きの原因になります。
特に、料理を入れっぱなしにして時間が経つと鉄の表面に酸が作用して変色しやすくなるので注意。
調理が終わったらできるだけ早く洗う習慣をつけましょう。
👉 ポイントは「熱いうちにお湯で洗う」こと。洗剤は基本的に使わず、タワシで汚れを落とすだけでOKです。
秘訣②:水分をしっかり飛ばす|加熱して乾かすのが鉄則
鉄フライパンは水分が残っているとサビの原因になります。
洗ったあとに自然乾燥させるだけでは不十分。必ず火にかけて水分をしっかり飛ばすことが大切です。
水分が完全に飛んで「表面がカラッ」と乾いた状態になって初めて安心して保管できます。
キッチンペーパーで拭いた後でも、弱火〜中火で数分加熱して乾燥させましょう。
秘訣③:油を薄く塗る|サビ防止のコーティング
鉄フライパンは、使い終わったあとに油を薄く塗っておくと表面に油膜ができ、サビ防止になります。
これは「鉄フライパンを育てる」ために欠かせない習慣です。
方法はとても簡単。キッチンペーパーに油を少量含ませ、フライパン全体に薄く伸ばすだけ。
こうすることで表面がコーティングされ、次に使うときも食材がこびりつきにくくなります。
👉 塗る油はサラダ油やオリーブオイルなど、家庭にあるもので大丈夫です。
秘訣④:シーズニングを習慣にする|焦げ付き防止
シーズニングとは、フライパンを油で慣らして表面を整える作業のこと。
特に新品の鉄フライパンや、サビ・焦げを落としたあとは必須です。
👉 詳しいやり方は関連記事
<a href="/tetsu-fryingpan-seasoning/">鉄フライパンのシーズニング方法【初心者ガイド】</a> で解説しています。
やり方は「空焼きして表面を熱する → 油をなじませる」を繰り返すだけ。
これにより鉄の表面に油膜が育ち、焦げ付きにくいフライパンへと変わっていきます。
秘訣⑤:強火での空焚きを避ける|劣化・歪みの原因に
鉄フライパンは高温に強いですが、必要以上に強火で空焚きすると変形や劣化の原因になります。
「調理前に少し予熱する」程度で十分です。
また、空焚きしすぎると油膜が焼き切れてしまい、逆に焦げ付きやすくなることも。
長持ちさせたいなら「ほどほどの火力」を意識しましょう。
秘訣⑥:急冷しない|鉄の割れや歪みを防ぐ
調理後に熱々のフライパンをすぐ水に浸けるのはNG。
秘訣①でもふれましたが、洗う場合はお湯で洗いましょう。
急激な温度変化で鉄が歪んだり、ひび割れの原因になることがあります。
フライパンを冷ますときは自然に温度を下げるのが基本です。
秘訣⑦:食洗機・洗剤は基本NG|油膜を守る
鉄フライパンは、使うたびに油膜が育っていきます。
ところが、洗剤や食洗機を使うとこの油膜がはがれてしまい、サビや焦げ付きの原因に。
基本的には「お湯+タワシ」で洗えば十分。
匂いや汚れが気になる場合は少量の中性洗剤を使ってもOKですが、その後は必ず油を塗り直すのを忘れないようにしましょう。
タワシは一般的な茶色のタワシでパーム(ココナッツ繊維)が主な素材となるものを使うようにしましょう。
秘訣⑧:保管は湿気を避ける|通気性のいい場所に
鉄フライパンは湿気が大敵です。
シンク下のように湿気がこもりやすい場所に置くと、サビが発生しやすくなります。
おすすめは「吊るす収納」や「風通しのいい棚に立てかける」スタイル。
湿気を避けることで、長期間サビ知らずで使い続けられます。
「吊るす収納」は使うときもの片づけるときも楽です。
秘訣⑨:重ねる場合はキッチンペーパーを挟む
鉄フライパンを他の鍋やフライパンと重ねて保管する場合は、必ず間にキッチンペーパーを挟みましょう。
摩擦で油膜がはがれたり、細かな傷がついてサビの原因になるのを防げます。
ちょっとした工夫ですが、これだけで長持ち度が大きく変わります。
秘訣⑩:サビや焦げは“直せる”と知る|諦めないのがコツ
鉄フライパンの魅力は「壊れても直せる」こと。
少しくらいサビても、焦げ付いても、正しい対処をすれば復活します。
軽いサビ → タワシで磨いて油を塗る
ひどいサビ → 空焼きして表面を再生
焦げ付き → お湯で煮て柔らかくしてから落とす
「ダメになった」と諦めるのではなく、メンテナンスしながら使い続けるのが鉄フライパンの醍醐味です。
手をかければかけるほど、愛着も湧きます。
まとめ|鉄フライパンは「育てる」気持ちで一生モノに
- 鉄フライパンは正しい使い方で何十年も使える
- 大切なのは「洗う→乾かす→油を塗る」の3ステップ
- サビや焦げも直せるので、安心して日常的に使い続けよう
【あわせて読みたい】
・失敗防止7つのコツ|一生モノに育てる油ならし完全ガイド
【参考リンク】
・「LODGE公式サイト お手入れ方法」
鉄フライパンは、ただの調理器具ではなく「育てる楽しみ」がある道具です。
少しの工夫で一生モノになるので、ぜひ日々のお手入れを習慣にしてみてください。